「幸せになりたい」
私は誰に言うでもなく、呟く。
「幸せになりたい」
私はそれを誰に向けて言っている訳じゃない、ただ、自分に向かって言っているだけ。
「しあわせになりたい」
毎日一回は、それを呟く。
だって、幸せになりたいでしょう?
空から女の子じゃなくて、男の子が落ちてくれたら。
いきなり、別の世界にトリップできたら。
願うけれど、現実はそう、簡単にはできていない。
それでも私は此処に居る。
だから、私は。
「幸せになりたい」
たったそれだけの為に、呟くのだ。
言っていれば、そうなれる気がするのは不思議。
呟いている途中で、私を呼ぶ声がした。
ほら、幸せはすぐそこまできている。
「幸せになりたい」
「……何で、そう思うの」
私の呟きを聞いて、私の隣に居る人が呆れた様子で聞いた。
「幸せになりたいから」
そう言ったら、その人は少し笑って、私にささやいた。
「もう、幸せじゃない?」
確かにその通りだと、思った。