後書き

 月に憧れていた頃、を読了頂きましてありがとうございます。
 この話は「夜の羊」看板小説(多分)、「今宵、月の下で会いましょう(以下、月の下)」の番外編になります。
 有坂可南子は、「月の下」の第三話に登場する、人物です。吉原始にどういう訳があって恋をしたのか、この「月に憧れていた頃」で、説明出来たかと思います。有坂は「月の下」では、ちょっと可哀想な役だったので、この「月に憧れていた頃」では、報われたかもしれません。
 吉原始に対抗する人物として、中村陽一が登場します。中村と始は太陽と月という意味を持っていると、表現出来たかと思っています。「彼女」が最後に惹かれたのは月であり、有坂が最後に惹かれたのは月ではなく、太陽である、という意味もあったりします。
 有坂可南子と中村の顛末は「月の下」の最後で、始が明かしています。読んで分かる通り、「月の下」と「月に憧れていた頃」は、時間も場所も多々繋がっています。
 こういう話を書くのは、まさしく「夜の羊」一周年記念企画として、相応しいものになりました。
 最後に、ここまで読んでくれた人に感謝を。