空と星と猫日和(04)

 その後の話。

 の猫騒動からしばらく日が経ったある昼下がり。

 艇の甲板にてルリアとイオの二人と一緒に洗濯物を干しているの前に現れたのは。

「よう、。惚れ薬出来たんだが、また試してみるか」
「今度のはそこまで強くないから大丈夫だと思うよ!」

 錬金術師のカリオストロとクラリスの二人だった。

「わあ、ありがとう。あとで試してみるよ」

 は、カリオストロから惚れ薬の入った壜を嬉しそうに受け取る。

「あ、またカリオストロとクラリスがに余計なもの渡してる!」
、また猫になりたいんですか?」

 に近付くカリオストロとクラリスの存在に気が付いたイオとルリアは慌てて、をカリオストロ達から引き離す。

 はしかし、イオとルリアに向けて笑って言った。

「これ、惚れ薬じゃなくてただの香水だよ。前みたいに猫になるとかはないから、安心して」
「ただの香水? でもさっきカリオストロが惚れ薬って言ってるの聞こえたんだけど!」
「イオちゃん、今回もこの件をグランに報告した方が良いですかね……」

 に言われるもイオとルリアはそれを疑い、この一件をグランに報告するべきかどうかを話し合う。

「いやいや、の言う通りで、通常の惚れ薬の正体は、甘い香りで男を引き付ける香水と変わりないものなんだって! オレは前の猫騒動での組織の連中の拷問に懲りたから、もうにへんなもの渡さないっての!」
「そうそう、とししょーの言う通りでこれはただの香水で、前みたいに何かに変身できるような魔術要素は何も入ってないから安心してよね!」

 ――団長のグランに出てこられると面倒臭い。カリオストロとクラリスはイオとルリアに向かって惚れ薬の正体を打ち明けた。

「ええ、何で惚れ薬が香水になるの?」
「私も分かりません。惚れ薬が香水になるとは、不思議な話ですね」
 
 これにはイオだけではなくてルリアも、カリオストロの話に興味を持つ。

 カリオストロはイオとルリアに向けて、惚れ薬が香水になる説明をする。

「錬金術師の間で流通している惚れ薬の実態は、どういう見た目の女でも甘い香りがただよえば、それに引き寄せられて魅了されるバカな男も居るっていうだけの話だ」
「簡単に言えば、花とミツバチみたいなものだよ。うちらはに香水与えてるだけだからね、今回の惚れ薬の件は団長に報告は必要無いよ!」

 カリオストロとクラリスの説明に続いてもイオとルリアの信用を得るため、香水の壜のフタを開けてその臭いをかいでみせた。

「前の香水は甘い香りが強過ぎたのか、ユーステスに逃げられちゃってね。今回のはこれ、柑橘系かな? うん、さわやかな香りで良いんじゃないかな」
「お、今回はいけそうか。ユーステスには前の甘ったるい香りは反対に効果無いっぽかったからなー」
「気難しいユーステス相手だと、うちらも香りの調合が難しいんだよねー。でもそのぶんやりがいがあるっていうか、がそれで喜んでるの見るだけで作ったかいがあるっていうか、ひひ」

 の意見を聞いて胸を張るカリオストロと、それだけで嬉しそうにしているを見て照れくさそうに髪をいじるクラリスと。

「……カリオストロとクラリスの様子見れば、今回はは大丈夫そうね」
「はい。今回のの惚れ薬については、グランに報告しないで良さそうですね」

 イオとルリアも彼女達の説明に納得したようで、今回の件はグランに報告は必要無いと、認める。

 と。

「ねえ、イオちゃんとルリアちゃんもこの香水つけてみない?」
「え、あたしとルリアに香水? カタリナとかロゼッタは分かるけど、あたしとルリアに香水なんてあわないって」
「そうですよ。私とイオちゃんにはまだ早いと思いますけど……」

 イオとルリアはの思い付きに最初、否定的だったけれど。

「今回はそこまで甘ったるい香りじゃなくて柑橘系のさわやかな香りだから、イオちゃんとルリアちゃんにもあうと思うよ。一回、試してつけてみたらどうかな」
「まあ、がそこまで言うなら……」
「……少しドキドキしますね」

 ペタペタ。はイオとルリアに少しだけ香水をつけてあげた。

「どうかな?」
「ほんとだ、いつもより良い香りする。なんか、一段階大人になった気分ね」
「自分の手を舐めてみたいくらいの良い香りですね~」

 くんくん。イオとルリアは手につけられた香水を嗅いで、さっそく、自分達もその香りに魅了された様子だった。

 は言う。

「はは、ルリアちゃん、香りだけで自分の手を舐めたら駄目だよ。二人ともそれで、気になる男の人の所に行ってみたら? 惚れ薬の効果、実感できるんじゃない?」

「ええ、あたしとルリアに気になる男の人なんて居ない居ない――」

「――私、グランの所に行ってその効果試してみますね!」

 イオは自分だけではなくてルリアにも気になる男は居ないと笑うも、ルリアはイオと違って張り切ってグランの居る方へ向かった。

 ルリアがあっさりとグランの方へ行って、イオは一人残されてしまう。

「あ、あたしだって気になる男の人くらい居るんだからねっ」

 イオは必死になって自分に都合の良い男を探す、と。

「ジャミル!」
「イオ様?」

 イオは丁度、そこを通りかかったジャミルを見付けて、駆け寄る。

 そしてイオはジャミルに向かって、に香水をつけてもらった手を見せる。

「ジャミル、ねえ、に香水つけてもらったんだけどさ」
「え、イオ様に香水ですか? ……確かにいつもより良い香りしますね」
「それで、どうなの?」
「どう、とは?」
が言うには、香水をつけると惚れ薬と同じ効果あってそれで男の人を魅了出来るんだって!」
「!」
「ねえ、ジャミルは香水つけてるあたし見てどう、どう感じた? の言うようにあたし、いつもより魅力的に見えてるのかな?」
「い、いや、それを俺に聞くのはどうかと……」
「えー。ちゃんと感想言いなさいよ! せっかくにつけてもらったんだから!」
「いやだからそれで俺に近付かないでください! (さん、イオ様に余計な事を教えて恨みますよ!)」

 ばたばた。イオはジャミルと追いかけっこをはじめて、達の前から遠ざかる。

「あれじゃ、しばらくは戻って来ねえな」
「イオに追いかけられるジャミルも災難だねえ」

「ふふ、ジャミル君にとってはイオちゃんに追いかけられるのは、惚れ薬の効果のうちかもね」

 カリオストロとクラリスはイオに追いかけられるジャミルに同情するも、はジャミルのイオに対する密かな恋心を知っているので、くすくす笑う。

 と。

「あれ、、可愛い星のペンダントつけてるけどどうしたのそれ。前はそんなのつけてなかったよねえ?」

 ここでクラリスは、の胸にキラリと光る星のペンダントに気が付いた。それは金の鎖に小さな星の形をした飾りがついてあるだけのものだった。

 はそれをクラリスに見せつけるよう星の飾りを手にして、自慢そうに言う。

「これ、前みたいに誰かに騙されて何かに姿変わった時にすぐに私だって分かるよう目印になるからって、ユーステスに買ってもらっちゃった」
「へえ。確かに訓練生の花のブレスレットだけじゃ、団長達にしか分からんかったからな。ユーステスもやるじゃねえか」
「というか、うちらに頼らなくてもユーステスとけっこう上手くやってるじゃん。それでまだうちとししょーの力、必要かな?」

 カリオストロはユーステスのやり方に口笛を吹き、反対にクラリスはそれで自分達の力が必要なのかとその疑問をにぶつける。

 クラリスの疑問を聞いたは慌ててカリオストロとクラリスに向けて両手をあわせ、必死な様子でそれを訴える。

「そんな、私にはまだ、カリオストロとクラリスの力は必要だよ! あの猫騒動が無ければユーステスは私にこんなの買ってくれなかっただろうし、香水のおかげでその気になってくれる回数も増えたんだから! 二人ともまた私とユーステスの間に何かあれば私に協力してくれると嬉しいんだけどな、お願い、この通り! カリオストロとクラリスが艇に来た時は特別に二人の好きなクリームたっぷりのケーキもサービスするし、ね、ね?」

「分かった、分かった。オレもにそこまで頼られちゃ敵わねえな、またとユーステスとの間に何かあれば協力してやんよ」
「うん。うちもししょーがに協力したいっていうなら、に協力するよー。それにほどうちらの実験に向いてる人間居ないっていうか――、あ、やば、今のは聞かなかった事にしてね!」

 に迫られてカリオストロは苦笑しつつもそれに了解して、思わず本音が漏れたクラリスは最後、可愛いポーズで誤魔化したのだった。




 その後の話、その2。

 これは、カシウスとアイザックが月から無事に帰ってきた後の話。

さん、さん」
「あ、シェロさん、いらっしゃい」

 その日は、商売人のシェロカルテが艇にやってきていた。因みにはシェロカルテをルナールと同じく、「シェロさん」と呼んでいる。

 シェロカルテがの前に来た理由、それは。

さん、最近、ユーステスさんがカシウスさんばっかり構ってるので面白くないってぼやいてるって聞きましたけど、本当ですかー?」
「……うん、それ本当だよ。ユーステスってば、カシウスがアイザックさんと月から戻ってきたのはいいけど、カシウスの事ばっかりなんだから」

 はシェロカルテ相手でも、その不満を隠さずにぶつける。

 そう、最近のユーステスはどういうわけか「空の民を敵視している月の民の一人であるカシウスは、団長達の手で月から戻っても危険人物には変わりなく、俺達の組織が見張る必要がある」と言って、カシウスばかり構っている。
 月の事件で一度、ハイゼンベルクの陰謀によって組織は解体されたものの、ローナンで再編成された組織の命令でカシウスの行き先には、ユーステスが必ず同行しているという。
 ユーステスの彼女のとしては、男でもユーステスに構ってもらえるカシウスに負けた気がして、面白くない。

 それだけではなく。

「それだけじゃなくてユーステスは、組織の命令があったとはいえ、何回かカシウスとデートもしてるんだよ! 私とは預かり先のご褒美でしかデートしてくれないのに! ローナンさんの組織としてもカシウスもユーステス相手なら心を開いてるらしいから、これからもカシウスの相手にユーステスを使うって! そうでも私を差し置いてカシウスとデートなんて、おかしくない? ねえ!」
「はは、さん、それはさすがにわたしより、組織に苦情出した方が良いんじゃないですかねえ」

 シェロカルテはそれでに迫られるも、それに関しては自分には何も出来る事がないので、苦笑するしかなく。

 それからの不満を聞いたシェロカルテはニヤリと笑って、とある商品をに差し出した。

「ふふふ、そんなさんにおあつらえむきの商品があるんですが、どうです? さんがこれつければユーステスさんに気に入られて、カシウスさんより構ってもらえる事は間違いなし、ですよ~」
「こ、これは!」

 シェロカルテからその商品を見せられたは、確かにこれならユーステスであるならカシウスより自分に注目してくれるかもしれないと思って、その商品に手を出してしまった。


 翌日。


、それはシェロカルテの言うよう、カシウス対策にはとても良いんじゃないかな? おまけにがそれつけたら、可愛いじゃない」
「えへへ、ありがとう!」

 組織の人間――月での事件が終わった後は暇でグランサイファーの艇に遊びに来ていたグウィンは、のその姿を見てぱちぱちと手を叩いてみせ、もグウィンにそう言われて嬉しそうだった。

 と。

、そんな単純なものでユーステスに注目されて、それがカシウス対策になるのかい? 僕にはその良さが分からないなあ」

 グウィンと共にグランサイファーに訪れていた彼女の兄であるアイザックは、のそれに疑問を持つ。

 そして。

は、コルワかゼタに頼んでもう少し露出の多い衣装を着てみるとかの方がユーステスに注目されるんじゃないか? ほら、この団ではクリスマスとかバレンタインにはそれ系の衣装を着こなす女性達が多いだろう。この団の女性達だけではなくて、組織のゼタとベアトリクスもそれ系の衣装を大胆に着こなしている。僕のデータではユーステスは、女性に迫られると弱いってあるから、それよりは絶対そっちの方が効果的だと思うよ」

「ええ、いくらユーステスが女性に迫られるのが弱いといっても、それで迫るのってどうですかね。それに私、露出系の衣装を着てもゼタやベアトリクスのよう、色気ある風にはならないです……」
「うんうん、の言う通り。それからアイザックのデータの中でユーステスさんが女性に迫られると弱いのが分かってるとしても、これより露出系の衣装選ぶなんてサイテーだわ。アイザック、それだから組織でもこの団でもモテないんだよ……」

はともかく、何で妹のグウィンに男の夢の一つ、露出系の衣装を否定的に言われなくちゃいけないんだ……」

 疑問を持つアイザックに自信たっぷりに言うと、露出系の衣装を選ぶ自分に対してだけではなく妹のグウィンに軽蔑の目を向けられて顔を引きつらせるのはアイザックだった。

「グウィン、アイザックさんは無視して、ユーステスはこれならカシウスより注目してくれて、私に構ってくれるよね!」
「うんうん。アイザックは無視していい、の言うよう、ユーステスさんならそれ気に入ってくれると思うよ! 、その調子で頑張れ!」

 アイザックはその二人の様子を見て、何も考えずに軽い調子で言った。

「でも、カシウスもと同じものつけたらどうかな? それでユーステスはよりカシウスに注目するかもしれないから、は露出系の衣装も用意しておくべきだよ、やっぱり!」
「はぁ? アイザック、何でカシウスがと同じものつけると思うの?」
「カシウスならそれ、ノリノリでつけそうじゃないか? これが空の民の趣味のうちなら興味深いとか言いながらさ」
「ああ。確かにカシウスならそう言いながらそれノリノリでつけそう――はっ、ナ、、カシウスがと同じものつけてもほどの可愛さは出ないと思うよ!」

「確かにカシウスならこれノリノリでつけそうだし、それで私よりカシウスの方がユーステスに構ってもらえるかも……」

 しょぼん。確かにカシウスであればシェロカルテのこの商品をノリノリでつけそうだと思ったは絶望しかなく、落ち込む。

 その落ち込むを様子を見たグウィンは、ギロリとアイザックを睨みつける。

「アイザック、責任取れ!」
「あ、え、ええと、そうだな、ユーステスは付き合うとなれば男のカシウスよりも女のの方が良いんじゃないかな、やっぱり!」
「それ、の励ましになってないっての! もう一回やり直し!」
「痛ッ、武装してない僕を本気で蹴るなって、妹ならもう少し優しく、はい、すみませんでした! あ、ええと、その、僕のユーステスに関するデータだと、の方がカシウスより魅力的だってあるよ!」

 ガンッ。武装していない状態でグウィンに本気で足を蹴られたアイザックはその痛みを堪えつつ、彼女に更に制裁を加えられるのが分かると、慌てて落ち込むを励ます。

 と。


、今、帰ったぞ――て、何やってる?」

 を家に連れて帰るために組織の仕事からグランサイファーに帰ってきたユーステスは、そこでグウィンとアイザックに囲まれて言い合うに注目する。

「あ、ユーステス、お帰り!」

 ぱあっ。はカシウスで落ち込んでいたものの、ユーステスが帰ってきたと分かればすぐに機嫌は元に戻った。

「(相変わらず、単純だなぁ)」
「(単純で助かった……)」

 グウィンとアイザックは、ユーステスが自分の前に現れたと分かっただけで機嫌を持ち直すを見て、微笑ましく思う。

 そして。

「見てこれ、ユーステスとお揃い!」
「!」

 そういうの頭にはユーステスと同じ、エルーンの耳があった。

 シェロカルテがのために用意した商品は、ユーステスの頭にあるエルーンの耳と同じ、エルーンの耳だった。

「どう、どう?」

 は自分の頭についているエルーンの耳を見せつけるようにくるくる回って、ユーステスに披露する。

 は自分の頭にあるユーステスと同じエルーンの耳を見せれば彼は、カシウスよりも注目してくれて、自分を抱き締めてくれるかもしれない、そう期待していた。

 ユーステスはしかし、の思っていた反応とは違う様子を見せた。

「何だ、またカリオストロかほかの誰かに騙されて変身させられたのか? それか、そこに居るアイザックにでも変な実験台にでもされたか……」
「ええ、違うよ、カリオストロとアイザックさんの仕業じゃなくてこれ、シェロさんにもらったエルーンの付け耳!」
「シェロカルテにもらったエルーンの付け耳?」
「パーティー用の付け耳だよー。ほら、この通り、簡単に取り外せるから」

 は呆れるユーステスに慌てて、頭のエルーンの耳を簡単に取り外してみせた。

「……付け耳なら悪くないな、それ」
「えへへ」

 ユーステスは、が再び自分と同じエルーンの付け耳を付けたのを見て、グウィンとアイザックが見ている前でも構わず、彼女の頭を撫でている。はエルーンの耳を付けただけでユーステスに構われるように頭を撫でられ、とても嬉しそうだ。

「ほら。の言うようにユーステスさんはアイザックの期待していた露出系の衣装より、こっちの方が効果あったじゃん」
「何だ。が露出系の衣装を着れば、それにあわせるよう、ゼタとベアトリクス、この団でもを溺愛しているシルヴァとエッセルとナルメアとか、ほかの女性達もそれ系の衣装を着てくれると期待してたのになぁ」

「アイザックそれ、サイテーを通り超えてサイアクだわ……」

 に便乗して露出系の衣装を着てくれる女性達を期待していたがそれが駄目になって残念そうに肩を落とすのはアイザックで、アイザックの本音を聞いたグウィンは思い切り嫌な顔をしていた。

 そして。

「……シェロカルテ」
「あ、ユーステスさん、どうしました?」

 シェロカルテは甲板にテーブルと椅子を置いてそこに座り、ユーステスにエルーンの付け耳を披露するの様子を見守っていた。

 ユーステスは後ろに控えるのエルーンの付け耳を指さし、シェロカルテに聞いた。

「シェロカルテ、のあれ、いくらだ?」
「ふふ、ユーステスさんもさんのあれ気に入りましたか。一万ルピでどうです」
「一万ルピ。……今は持ち合わせないが、家に帰ればそれくらい出せる。払うの、明日で構わないか」
「ははは、冗談です冗談。このエルーンの付け耳がそこまでするわけないでしょう。ユーステスさんなら、もってけドロボーですよぉ」
「どういう意味だ」
「タダです、タダ。さんからも、わたしからもらったって、聞いてませんでしたか?」
から聞いているが、シェロカルテ相手では信じられなかった。良いのか、それで。シェロカルテらしからぬ大盤振る舞いだな……」
「ふふ、たまには、わたしも、ユーステスさんで頑張るさんに協力したいと思ったんですよ。そうそう、エルーンの付け耳はさん付きなんで、さんと一緒にお引き取りくださいな~」
「……了解した。さっそく、も連れて帰る」
「あ、そうだ、エルーンの付け耳のほか、ドラフの付け角、ハーヴィンの付け耳もあります。一緒にどうです?」
「何?」
「ドラフの付け角とハーヴィンの付け耳は、エルーンの付け耳と違ってこっちは有料ですけど、セットなら更にお安くできますよ!」
「……シェロカルテ、お前」
「何です?」
「いや、何でもない」
「ドラフの付け角、ハーヴィンの付け耳、今ならセットで三千ルピでどうです」
「セットで三千ルピ……」
「このセットで三千ルピ、これは、とてもお買い得ですよぉ。それに、これでさんと色々遊べますよ~」
「……、そうだな、セットで三千ルピなら安いか。三千ルピなら今払える、買おう」
「毎度!」

 ドラフの付け角、ハーヴィンの付け耳はセットで買えば三千ルピ、それはその場で払える金額である。一万ルピと聞いた後に三千ルピとその値段を聞けば、普段より安く感じるから不思議だった。
 ユーステスはシェロカルテに断りきれず、更にはこれでと色々遊べると分かって、そのセットも購入、その場でコインを払った。

 のためにエルーンの付け耳だけではなく、ドラフの付け角とハーヴィンの付け耳セットを買い取ったユーステスに後悔はなく。

、さっさと家に帰るぞ」
「うん。シェロさん、ありがとう!」

 ユーステスにエルーンの付け耳を気に入ってもらえたは嬉しそうで、彼と一緒に艇を出る間際、シェロカルテに向けて大きく手を振っていた。

「読み通りにユーステスさんで、売れ残りの付け耳グッズが売れましたか。あれ、在庫に困ってたんですよね。これもさん様様ですねえ、ふふふ~」

「……いやはや、話に聞いていた通りに商売に関しては、恐ろしい人だな」
「そうだね。私達も彼女の商売には気を付けた方が良いね……」

 ユーステスに売れ残っていた付け耳グッズをセットで売り切ったシェロカルテは彼が支払ったコインを眺めて満足そうに笑い、そばでそのやり取りを見ていたアイザックとグウィンは改めてシェロカルテの商売魂を恐ろしく思ったという。

グラブル空シリーズ、カリオストロ編。
カリオストロの惚れ薬で猫になった話。
カリオストロとクラリスは扱いやすいキャラでいい。
イオとジャミルは可愛い。最初はイオとラカムでも良かったけど、ラカム相手では年齢の差があり過ぎてどうかと思ったので、こっちに転んでしまったというね。
アイザックさんもいいキャラです。カシウス関連のイベントでもすっかりやられキャラで定着してしまったような。

更新履歴:2022年03月20日